亜鉛は人体に不可欠な栄養素
よく「現代人は亜鉛が不足している」と言われます。
さらに、特に男性において「精力増強に必須なのが亜鉛」と言われたりします。
筆者は医者ではないので確かなことは言えませんが、一般論としてそういうことになっています。
・・・しかし、この前に亜鉛に詳しいお医者さんから聞いた話によると「亜鉛の摂り過ぎは、まるで逆効果」という視点もあるようなのです。
亜鉛不足で起きること
ではまず、一般的に言われている「亜鉛不足による弊害」についてリストアップしましょう。
【亜鉛不足で起きること】
味覚障害
舌で味覚を感じるのは、舌にある味蕾(みらい)の中の味(み)細胞から味覚神経を通して脳にある味覚中枢へ情報が送られるためです。この味細胞は比較的、短い周期で新しく生まれ変わってきますが、その際に亜鉛が必要となります。そのため、亜鉛が不足すると、この味細胞が新たに生まれてこないため、「味がわからない」、「本来の味ではない味がする」、「何も食べていないのにいやな味がする」、等の味覚障害が起きてきます。また、薬剤の影響で味覚障害が起こる場合もあります。
皮膚炎
亜鉛は皮膚にも多く存在し、たんぱく質の合成に関わっています。そのため、亜鉛が不足すると健康な皮膚が保てなくなり、皮膚炎やかゆみ等、さまざまな皮膚のトラブルが起きやすくなります。また、亜鉛は皮膚に限らず炎症を抑える働きをもつことが、わかっています。
脱毛
髪の毛や眉毛等の生えている「地肌」も皮膚の一部なので、皮膚と同じように亜鉛不足により、健康な状態が保てなくなります。亜鉛不足で、毛根の周囲にトラブルが生じ、脱毛が起きます。円形脱毛症では亜鉛不足が多く見られます。
口内炎
亜鉛不足で口腔内の免疫力や、たんぱく質合成能力が低下して、その結果、粘膜が弱くなることで、口内炎が起きやすくなります。
食欲低下
亜鉛が不足すると、胃や腸など消化管の働きが悪くなり、食欲が低下します。食べる量が減るために亜鉛がさらに足りなくなり、悪循環を招いてしまいます。
下痢
亜鉛不足で消化管の働きが悪くなることや、腸の粘膜の免疫機能が低下することから、下痢を起こしやすくなります。
生殖(性腺)機能障害
亜鉛が不足すると、特に男性の性腺(精巣:精子や男性ホルモンをつくる場所)に発達障害や機能不全が起き、精子の減少、性欲の減退等の症状が現れることがあります。亜鉛不足が男性不妊症の原因になることもあります。
傷が治りにくい
亜鉛はたんぱく質の合成や細胞の再生に関わっているため、不足すると傷の修復力が低下し、傷が治りにくくなります。寝たきりの高齢者等にできる床ずれが治りにくく重症化する人には亜鉛不足が見られます。
感染症にかかりやすい
亜鉛が不足すると免疫機能が低下するため、ウイルスや細菌に感染しやすくなります。また感染に対する抵抗力も弱くなり、重症化したり、症状が長引く、繰り返し風邪を引く等の症状が出やすくなります。
貧血
亜鉛は赤血球を作る働きに関係しているため、亜鉛不足の人は貧血になることがあります。
低身長(成長障害)
亜鉛は成長ホルモンや性ホルモン等発育に関するホルモンの産生や働きに関わっているため、子どもに亜鉛不足があると身長の伸びや体重の増加に障害が起こることがあります。
骨粗しょう症
亜鉛は骨の生成に大きく関わっています。そのため、亜鉛が不足すると骨粗しょう症になりやすくなります。
引用元:https://www.nobelpharma.co.jp/general/lowzinc/03/
・・・このような項目が「亜鉛不足」によるリスクだと言われています。
亜鉛過剰摂取で起きること
「じゃあ、不足によるリスクを避けるために亜鉛サプリを沢山摂ろう」と振り切ってしまうのは、危険なのです。
摂り過ぎは摂り過ぎで、大きなリスクがあることを知らなければなりません。以下に、一般的に言われる過剰摂取のリスクを挙げます。
【亜鉛の摂り過ぎによるリスク】
・吐き気などの胃腸障害
・めまい
・免疫障がい
・神経症状
・HDLコレステロール(善玉コレステロール)の低下
上記が、亜鉛の摂り過ぎによって起こるリスクであると言われています。
そして、男性諸君に知ってほしいこと
「亜鉛不足を補うことで精力増強!」
どうやらこれは、その通りらしいのですが、
信頼するお医者さんから話を聞いたところ、重要な真実が分かりました。
「亜鉛の摂り過ぎは、EDを引き起こす可能性がある」
・・・まさに、肝っ玉が冷えますね。
なんでも「適切な量」が大切
塩でも砂糖でも亜鉛でも、「摂らなすぎ」は問題だし「摂り過ぎ」もまた問題。ということなのです。
そして大事なのは「適切な量は、その人によって変わってくる」という部分です。
もちろん年齢も関係あるし、性別も関係あります。
さらには、その人の体質も関係あるし、生活習慣も関係あります。
ですから「この量が適切」「サプリ一日一錠が適切」と言い切ることはできないのです。
適切な接種量は、血液検査などで知ることができるそうです。
・・・そして、私個人の考えとしては、
☑実感に勝る真実なし
☑サプリメントに頼り過ぎない
これが大事だと思っています。
少量試してみて、時間をかけて体調の変化を見て
「自分の実感として、良くなったか、悪くなったか?」
この実感を基準として量を確かめていくのがいいと思っています。
そして、やはり栄養素は「サプリより、食材から摂る」という考えが重要だと思うのです。
サプリの錠剤から特定の栄養素を摂ると、効率がいいのかもしれませんが、
しかし同時に「摂り過ぎのリスク」は増大します。
それよりも、たとえば今回の亜鉛なら
「亜鉛が多く含まれる食材」を積極的に献立に入れるようにして、健康的な食材から自然由来の栄養素を摂っていくのが、一番いい気がしています。
・・・とにかく、今回お伝えしたかったのは
男性において「亜鉛を摂ると、精力が増強される!」という神話が浸透している気がしましたので、「でも、摂り過ぎは逆にEDになる可能性があるよ」という真実について語りたかったのです。
参考になりましたら、幸いです。