焼酎が血栓を溶かしてくれる!?

※現代ビジネスの記事より引用

宮崎医科大学須見洋行先生らによる“焼酎は血栓を溶かす”という研究データがある。
彼らの研究により、飲酒によって血栓溶解酵素活性が高まることが分かった。そして中でも本格焼酎でその効果が抜きんでて高いことが示されたのだ。つまり、適量の本格焼酎を飲むことは血栓症予防効果がある可能性があるのだ。
この研究は倉敷芸術科学大学に移られた須見先生により精力的に研究がすすめられ、現在、効果を示す焼酎中の成分特定にまで進展している。

焼酎は、血栓の形成は抑制せず、できた血栓を溶解する。
エタノールそのものに血栓形成の抑制効果があることは知られており、そのメカニズムとして、血小板機能の抑制、血液凝固因子の低下およびプラスミノーゲン(血栓などを溶かす酵素)活性化因子(PA)の上昇が報告されている。しかしながら、先に紹介した須見先生らの研究では、エタノール量を統一して実験していたにもかかわらず、ビールやワインでは血栓溶解効果が低かったことから、エタノール以外の成分の寄与が示唆された。

そこで、焼酎に含まれる12種の香気成分に着目し、PAの一種であるt‒PA産生や血小板凝集にどのような影響を与えるのかを調べたところ、イソアミルアルコール、β‒フェネチルアルコール、n‒ブチルアルコール、酢酸イソアミル、アセトアルデヒド、カプロン酸エチルなどで強い凝集阻害が示され、とりわけバラの香り成分でもある酢酸β‒フェネチルが、強力な血小板凝集抑制能を示すことを明らかにした

しかしながら、これらの成分は焼酎に限ったものではなく、清酒などにも含まれている。よって焼酎の血栓溶解作用は、単一成分のみの効果ではなく、さまざまな成分が複合的に寄与した結果である可能性がある。今後、これらの香気成分濃度の高い焼酎が開発されれば、焼酎の香りを嗅ぐだけで健康に良い効果が得られるかもしれない。

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